ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「昭和」の戦争とコロナ禍での東京五輪開催強行

4月29日は「昭和の日」の祝日です。昭和のころは天皇誕生日でした。1989年1月に昭和天皇が亡くなり「平成」に改元されると、しばらくは「みどりの日」でした。2007年に現在の呼び名に変わりました。「国民の祝日に関する法律」は「激動の日々を…

広島再選挙は候補一本化と争点の明確化で野党勝利~自民全敗 直後に出てきたワクチン大規模接種計画

4月25日に投開票された参院広島選挙区の再選挙と参院長野選挙区補欠選挙、衆院北海道2区補選の3選挙で自民党は、候補者擁立を見送った北海道2区補選を含めて全敗でした。菅義偉首相にとっては初めての国政選挙だっただけに、26日付の東京発行新聞各…

バッハ会長の暴言、五輪開催の強行と新聞各紙の報道~公式スポンサーだからこそ批判に意義

新型コロナウイルス対策で東京、京都、大阪、兵庫の4府県は4月25日、3回目の緊急事態宣言に入りました。期間は5月11日までですが、感染力が強まっている変異株の感染が拡大しているとの指摘があるのに、17日間という期間は、これまでの2回の緊急…

北角裕樹さんの即時解放求め、新聞労連、メディア総研が声明

ミャンマー在住の日本人ジャーナリスト・北角裕樹さんが4月18日夜、自宅で治安当局に拘束されました。虚偽の情報を拡散させたとの疑いをかけられ、刑務所に収容されていると報じられています。ミャンマーでは軍事クーデター後、軍当局が抗議行動を激しく…

バイデン米大統領が菅首相を呼んで確認を求めたこと~対中国の抑止破綻まで織り込んだ共同声明

菅義偉首相が訪米し、バイデン大統領と4月16日午後(日本時間17日未明)にホワイトハウスで会談しました。会談後に発表した共同声明には「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」として、「台湾」が…

弱い立場の者が団結する、その象徴のような生き方~火野葦平「花と龍」の玉井金五郎(故中村哲さんの祖父)

このブログの以前の記事で、アフガニスタンで2019年12月に銃撃を受け亡くなったペシャワール会の中村哲さんが幼少時、福岡県の若松(現・北九州市若松区)で過ごしたこと、母方の祖父が若松で港湾荷役請負を営んでいた玉井金五郎であることを紹介しま…

「即時閉鎖こそ負担軽減だ」(琉球新報)、「辺野古にしがみつく愚」(沖縄タイムス)~普天間返還合意から25年、主権者一人ひとりが当事者

沖縄県嘉手納市の米軍普天間飛行場の返還に日米両国が合意したのは1996年4月12日。ことしで25年がたちました。しかし、いまだ返還も閉鎖もされず、周囲の市街地を米軍機が飛び交う危険な状態が続いています。同じ沖縄県内、名護市辺野古では普天間…

「表現の自由侵しかねない」(北海道新聞)、「五輪報道の自由奪えない」(京都新聞)~出版労連、MIC、日本ペンクラブも五輪組織委を批判

東京五輪の開会式イベントの演出を巡る週刊文春の報道に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が業務妨害や著作権の侵害を主張し、雑誌の回収やネット記事の削除を要求している問題で、朝日新聞、信濃毎日新聞に続き、新たに北海道新聞と京都新聞が4月…

五輪組織委「報道の自由への威圧だ」(信濃毎日新聞)、「市民に顔向けて仕事を」(朝日新聞)~ことは週刊文春だけの問題ではない

一つ前の記事の続きです。 週刊文春が東京五輪パラリンピック組織委員会の内部資料を入手して報じた記事に対し、組織委が業務妨害や著作権侵害を主張して、4月1日発売号の回収やネット記事の削除を求めました。一つ前のわたしの記事では、著作権侵害との主…

東京五輪組織委が「著作権の侵害」を主張することへの違和感~著作権法は、場合によっては著作者の権利を制限し、公共性の高い情報が社会に流通することを担保しようとしている

4月1日発売の週刊文春が、「森・菅・小池の五輪開会式“口利きリスト”」とのタイトルの記事を掲載し、この中で週刊文春側が東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の内部資料を入手したとして、その内容を報じていることに対し、組織委員会が文芸春秋に抗…