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組織ジャーナリズムに身を置き40年余

「安倍派幹部『不問』」に8割が疑義

 自民党のパーティー券裏金事件で、自民党安倍派の政治資金収支報告書の虚偽記載に対し、東京地検は会計責任者を起訴しただけで、事務総長経験者ら派閥幹部の国会議員については不問としました。そのことへの疑問は、このブログでも触れました。東京地検が刑事処分を発表したのは1月19日。その後に実施された世論調査2件では、この点に対していずれも極めて厳しい結果が出ています。
 1月20~21日の朝日新聞調査では「納得できる」12%に対して「納得できない」80%、1週間後の毎日新聞調査(1月27~28日実施)でも「適切だと思う」11%に対し、「適切だとは思わない」が78%に上っています。「安倍派幹部の責任は不問」との東京地検の処分に、世論はおおむね8割が疑義を呈しています。
 自民党内では安倍派を始め派閥の解散の動きが出ていますが、朝日新聞の調査では、信頼回復につながらないとの回答が72%に上っています。毎日新聞の調査でも、「自民党の取り組みが政治の信頼回復につながると思うか」との問いに対し、「思わない」の回答が84%でした。
 民意は、自民党に任せても信頼回復はできないことをよく知っているのだと思います。政治とカネの問題が絶えないこと自体が、自浄能力がないことの裏返しでもあるからです。政治資金規正法も改正されてきましたが、それでも政治とカネの不祥事は繰り返されています。だからこそ、検察が捜査を尽くしたかどうかが問われます。安倍派の幹部の刑事責任を不問としたことは、民意の期待を大きく裏切ったと言えそうです。検察は捜査を尽くしたというなら、もっと説明すべきだろうと思います。

※参考過去記事

 検察の処分への疑問は、以下の記事に書いています。どうぞ、併せてお読みください。

news-worker.hatenablog.com

 検察の処分を是とするか否かの観点から、新聞各紙の社説、論説をチェックしました。こちらもどうぞ併せてお読みください。

news-worker.hatenablog.com