ニュース・ワーカー2

組織ジャーナリズムに身を置き40年余

新聞:社説・論説

東京五輪 直前2カ月間の社説、論説の記録① 5月23日付~6月22日付 ※随時更新

東京五輪開幕2カ月前の2021年5月23日以降、新聞各紙が掲載した東京五輪関連の社説、論説の記録です。原則として、各紙のネット上のサイトで読めるものです。随時、更新します。 ※長くなってきたので6月23日付以降は別記事にまとめることにしまし…

「大切な命を守れるのか」 限りなく「中止」に近い中日・東京新聞の社説

新聞各紙の6月1日付の社説、論説で、新型コロナウイルスと東京五輪を取り上げた内容のものがいくつか目に付きました。 中日新聞は「大切な命を守れるのか」との見出しで、五輪の開催強行に強い疑念を表明しました。記者会見での質問に正面から答えなかった…

「中止を決断すべき時だ」(琉球新報)、「それでも開催の大義はあるのか」(神戸新聞)~民意を代弁する地方紙の社説、論説

新型コロナウイルス対策で東京、大阪など9都道府県への緊急事態宣言の再延期が5月28日に決まったことに対して、多くの地方紙が29日付以降、社説、論説で論評しています。その中で7月23日開幕の東京五輪に触れたものもいくつか目を引きました。菅義…

「五輪ありき 宣言延長」(東京新聞)、「開催『突進』 社会を分断」(毎日新聞)~緊急事態宣言再延長、在京各紙の報道の記録

新型コロナウイルス対策として東京、大阪など9都道府県に発令されている緊急事態宣言は、5月31日までとしていた当初予定を延長し、6月20日までとすることが5月28日、決まりました。菅義偉首相は感染拡大の防止とワクチン接種の推進の「2正面の作…

公式スポンサーが五輪中止を求めることに格段の重み~読売新聞は「開催へ感染防止策を徹底せよ」

朝日新聞社が公式サイトに5月26日、「東京2020オフィシャルパートナーとして」を掲載しました。一部を引用します。 https://www.asahi.com/corporate/info/14357747 新型コロナウイルス感染の拡大により、大会の開催を懸念する声が広がるなど、さまざまな…

「東京五輪中止」掲げるのは地方紙~「強行すれば首相退陣だ」(沖縄タイムス)、「理解得られぬなら中止を」(西日本新聞) 【追記】公式スポンサーの朝日新聞も「中止の決断を首相に求める」

7月23日に開会予定の東京五輪まで2カ月を切りました。IOCからはコーツ調整委員長の「緊急事態宣言下でも開催する」発言を始めとして、何が何でも開催との強硬な姿勢がいよいよ露骨になってきています。新型コロナウイルス感染拡大の収束はまったく見…

信濃毎日新聞「政府は中止を決断せよ」 初めての明快な社説・論説

このブログの以前の記事で触れたように、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長やバッハ会長が、東京五輪開催への強硬姿勢を相次いで見せている中で、信濃毎日新聞(本社長野市)は23日付で「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」との…

「表現の自由侵しかねない」(北海道新聞)、「五輪報道の自由奪えない」(京都新聞)~出版労連、MIC、日本ペンクラブも五輪組織委を批判

東京五輪の開会式イベントの演出を巡る週刊文春の報道に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が業務妨害や著作権の侵害を主張し、雑誌の回収やネット記事の削除を要求している問題で、朝日新聞、信濃毎日新聞に続き、新たに北海道新聞と京都新聞が4月…

五輪組織委「報道の自由への威圧だ」(信濃毎日新聞)、「市民に顔向けて仕事を」(朝日新聞)~ことは週刊文春だけの問題ではない

一つ前の記事の続きです。 週刊文春が東京五輪パラリンピック組織委員会の内部資料を入手して報じた記事に対し、組織委が業務妨害や著作権侵害を主張して、4月1日発売号の回収やネット記事の削除を求めました。一つ前のわたしの記事では、著作権侵害との主…

森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性(その3)~大会スポンサーにそろって名を連ねる全国紙

東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡って、2月7日に更新したこのブログの記事では、この問題をマスメディアがどう報じるかも日本社会のジェンダーの現状の一端を示している、その意味でマスメディアには当事者性がある、との…

続・森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性~地方紙・ブロック紙の社説、論説の記録

一つ前の記事(「森喜朗会長の女性蔑視発言とマスメディアの当事者性」)の続きです。 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月3日に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、4日には記者会見で発言を取り消し謝罪を…

「弱い立場の人が取り残される脆弱性を放置しない政治を」(沖縄タイムス)「民主政治に命を吹き込めるのは主権者」(中国新聞)~コロナ禍の新年、新聞各紙の社説、論説の記録

元日付の新聞各紙の社説、論説を、それぞれのネット上のサイトで見てみました。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中で、コロナ禍によってあぶり出された課題をどう克服し、どのような社会を目指すのかを探る内容のものが目立ちます。 中でも…

「ついに沖縄とまっとうな関係築けず」(沖縄タイムス)~「安倍政治」 地方紙・ブロック紙の社説、論評

安倍晋三首相が8月28日に辞任を表明したことに対し、地方紙・ブロック紙も翌29日付の社説、論説で論評しています。ネットでチェックできたものについて、見出しを書きとめておきます。9月2日夜の時点で内容を読むことができる社説、論説は、リンクも…

国家と地域・住民の関係を問う沖縄「慰霊の日」~地方紙・ブロック紙社説の記録

6月23日は、1945年の沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」でした。75年のことし、沖縄タイムスと琉球新報は23日付の社説で、沖縄戦の体験を継承していくことの意義をそれぞれ説いています。▼沖縄タイムス「[慰霊の日に]知…

辺野古新基地反対の民意変わらず~沖縄県議選で玉城知事与党が過半数

沖縄県議選が6月7日、投開票されました。定数48のうち、玉城デニー知事を支持する県政与党は25議席を獲得し、改選前(26議席)に続き、過半数を維持しました。県政野党では、自民党が4議席増の17議席を獲得しています。与野党の色分けとは別に、…

「やはり撤回しかない」「禍根残す」「憲政史に汚点」~検察庁法改正案 新聞各紙の社説、論説(5月14日以降)

特定の幹部検察官の定年を内閣、法相の判断で延長できる特例を設けた検察庁法改正案は、当初与党が目指したとされる週内の衆院内閣委での採決には至らず、週明けに持ち越しになりました。8日以降、ツイッターでは法案に反対するハッシュタグが次々に生まれ…

「白紙に戻して出直せ」「不要不急の法案」「批判受け止め撤回を」~検察庁法改正案 新聞各紙の社説、論説

衆議院内閣委員会で先週5月8日に審議入りした検察庁法改正案に対して、新聞各紙が社説、論説でどのように扱っているか、可能な範囲で見てみました。地方紙、ブロック紙はネット上の各紙のサイトで読めるものが中心です。 検察庁法改正案は、検察官の定年を…

「審議は論外 即刻撤回を」「これこそが『不要不急だ』」~検察庁法改正案 各紙の社説、論説

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、特措法に基づいて発せられた緊急事態宣言の5月31日までの延長が同4日、決まりました。先行きが見通せない時間が続きます。マスメディアの報道も引き続き、新型コロナウイルス関連のニュースが大きな比重を占…

緊急事態条項 批判的論調が多数~コロナ禍の憲法記念日、新聞各紙の社説・論説

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国に緊急事態宣言が発せられている中で5月3日の憲法記念日を迎えました。多くの新聞が3日付の社説、論説で憲法を取り上げ、多かれ少なかれ憲法改正に、その中でも危機に際して政府に強い権限を付与する緊急事…

残る報道規制への危惧~特措法を安倍政権が運用 新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスへの対策として安倍晋三政権が国会に提出した新型インフルエンザ等特措法改正案が3月13日、国会で可決されました。このブログの一つ前の記事で触れたように、ひとたび緊急事態宣言が発せられれば、国民の私権が制限され、また「表現の…

東京高検検事長の定年延長 地方紙も批判続く~社説・論説の記録

東京高検検事長の定年延長問題に対しては、地方紙・ブロック紙の社説・論説でも批判や疑念が示されています。新型コロナウイルスへの対策を巡って、安倍晋三政権は国民の信頼を得ることが必要なのに、唐突だった小中高校の一斉休校要請が社会に混乱を招いて…

東京高検検事長の定年延長、読売社説も説明求める~全国紙5紙の社説 批判や疑問視

東京高検検事長の定年延長問題は、法務省や人事院から合理的で説得力のある説明がないままです。このブログの以前の記事でも触れましたが、新聞各紙も社説・論説で取り上げています。全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)では、朝日、毎日両紙が早く…

「法の支配否定」「ご都合主義」「論理破綻の開き直り」~検事長定年延長、「桜を見る会」の新聞各紙社説・論説

「桜を見る会」を巡る安倍晋三首相の説明にはいくつも疑念が浮かび、東京高検検事長の定年延長を巡っては、検察庁法と国家公務員法の解釈を変更したとする手続きに不自然さがいくつも指摘されています。日本の法治主義や民主主義が大きく揺らいでいます。新…

続・即位礼の新聞各紙 社説・論説の記録(23日付)

前回の記事の続きになります。少し時間がたってしまいましたが、令和の新天皇の「即位礼正殿の儀」に対して、翌10月23日付で新聞各紙が社説、論説でどのように論じたか、ネットなどで可能な限り見てみました(前回の記事は10月22日付の社説、論説で…

「権威高める手法に警戒を」(琉球新報)~即位礼の新聞各紙 社説・論説の記録(22日付)

「令和」の新天皇が内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が10月22日午後、国事行為として皇居・宮殿で行われました。儀式に宗教色がぬぐえないこと、玉座(高御座)の天皇よりも一段低い場所に立つ首相の発声で「天皇陛下万歳」が唱和されることなど…

昭和天皇の「戦後責任」~「拝謁記」 沖縄の新聞の視点

戦後、初代宮内庁長官を務めた故田島道治氏が昭和天皇とのやり取りを書き記していた「拝謁記」をNHKが遺族から入手し、その内容を8月16日に放送しました。NHKは同19日に「拝謁記」のうち自局で放送済みの部分を公開。これを元に新聞各紙も19日…

事実を歴史としてどう継承するのか~敗戦から74年の課題 付記・ブロック紙、地方紙の社説から

日本の敗戦で第2次世界大戦が終結して74年。ことしの8月15日は、重苦しい気持ちで迎えました。 一つは日本と韓国の政府間関係の悪化です。大きな要因は、元徴用工への賠償という歴史問題です。「日韓基本条約で解決済み」という主張があるにしても、日…

「展示再開」も論点に~「表現の不自由展」中止 新聞各紙の社説・論説の記録 ※追記:実行委対応にも疑問提示 追記2:読売新聞「主催する側にも甘さがあった」

「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題に対して、いくつかの新聞が社説・論説で取り上げています。ネット上のサイトで確認できたものを記録しておきます。 企画展の中止が発表されたのは8月3日でした。わ…

安倍首相演説にヤジの市民排除 警察に忖度はなかったか~新聞各紙の社説

7月21日に投開票が行われた参院選では、札幌市で安倍晋三首相の街頭演説中に「安倍辞めろ」などと大きな声を上げた市民が警察官に強制的にその場から排除されたり、年金問題への疑問を書いたプラカードを掲げようとした市民がやはり警察官に阻止されたり…

丁寧な政治 安倍政権に求める~沖縄2紙は新基地反対を強調 参院選 地方紙の社説・論説

参院選の結果について、地方紙・ブロック紙の7月22日付の社説・論説をネット上の各紙サイトでチェックしてみました。やはり、与党の改選過半数獲得と、改憲勢力が参院の議席の3分の2を割り込んだことに言及した内容が目立ちます。改選過半数を獲得した…